そのあや子氏が言葉で勝て!

貧しい表現力が招く不幸

小さな親切大きなお世話 産経新聞  曽野綾子

広島県府中町の中学3年生の男子生徒が、自分がやってもいない万引が記録に残っていたために志望高校への推薦を拒否され、それが理由で自殺した。

 一人の人間の名誉に関わることについて十分な調査もせず、記録の手順を正さなかった学校の手抜きの姿勢が悪いのはもちろんだが、ここには言語による意思伝達力に関して、実に貧しい実情が浮かび上かってくる。

 してもいない万引を疑われたのなら、生徒はまず親に伝え、学校に問いただし、記録を正さなければならない。

 今回学校からその件に関する質問をされた時、生徒は「そんなことはありません」と正面から否定しなかったようだ。万引が事実であったかのように思われたのは、「万引のことは家の人に言わないで、家の雰囲気が悪くなる」などと答えたものだから、教師も事実だと思ってしまったのだろう。

 私は昔から万引をするような人間は、大学どころか、高校にも行かなくていい、と思ってきた。万引は「失敗」ではない。「確信犯」である。計画して盗みをするような人間には、高等教育など受ける資格はない。

 家庭にもそういう正義を重んじる空気があれば、子供は万引などしないし、潔白なのに疑われた時には、顔色を変えて大騒ぎをするだろう。もちろん親にも訴え、学校にも言って、冤罪をその場で晴らす。

 私は全くSNSをいじったこともないので知らなかったのだが、同じ頃、ブログ上で、「保育園落ちた日本死ね」という無記名の文書が出たという。「一億総活躍時代じゃねーのかよ」と現政権を批判したものである。もちろん保育園は全員が入れるだけあった方がいいに決まっている。しかしいつの時代にも、現実は理想通りにいかないことを自覚するのも成人の証だ。私の子育て時代には、児童全員を保育園に入れなければならないという発想もなかったし、幼稚園さえ経済上の都合その也で入れない家庭もあった。

自分に都合の悪いことがあると、「日本死ね」である。別に大人げなく反論する気もないが、日本を世界有数のいい国だと思っている私のような人間もいるのだから、この人の方が嫌いな日本を捨てて、今すぐもっと上等な他国に移住なさればいい。日本はかなり貧し人でも99%まで清潔な水道の供給を受け、電気をもらい、下水の恩恵を受け、生活保護と医療を受ける制度がある。私はこういう国だから日本が好きなのだ。

 このブログ文章の薄汚さ、客観性のなさを見ていると、私は日本人の日本語力の衰えを感じる。言葉で表現することの不可能な世代を生んでしまったのは、教育の失敗だ。

 表現力はもっとも平和的な武器である。外交でも論戦を闘わす方が、空爆で相手を吹っ飛ばすより穏やかだ。

 子供たちに毎週作文を書かすと読むのが大変だからと、作文教育を怠ってきた面はないか。SNSに頼り、自分の思いの丈を長い文章で表す力をついに身につけなかった成人は、人間とは言えない。(その あやこ)
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