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上海電力騒動は橋下徹氏が原因ではない!

【目安箱/5月14日】上海電力騒動、本当の問題は橋下徹氏ではなく…
2022年5月14日


元大阪市長の橋下徹氏を巡る再生可能エネルギーの「疑惑」話が騒ぎになっている。橋下氏が大阪市長時代に、中国企業の上海電力の大阪でのメガソーラー発電所の建設に便宜を図ったという批判だ。ただ、その批判の内容を調べると政治スキャンダルなどに発展する可能性はなさそうで、橋下氏の強い否定と新たな情報がないために収束しつつある。それよりも、これをきっかけに再エネ導入政策をめぐり、議論が深まれば良いと、筆者は期待している。

◆疑惑は法的問題にならなさそう
疑惑とされるものは、中国の上海電力の日本法人が日本企業と共同出資で運営し、2014年に運営を始めた大阪市南港咲洲メガソーラー発電所を、大阪市長時代の橋下氏が支援したというものだ。同社は中国の「一帯一路」政策の成功例とPRしているために、橋下氏が中国に協力したと批判されている。また当初に大阪市から土地を借りた事業者は上海電力ではなかったらしく、事業主体が変わって契約が不透明であり、ここに橋下氏がかかわったとの批判がある。

再エネ問題を知る人は、この程度の情報では、違法性はなさそうだと思うはずだ。12年に始まった再エネの振興策であるFIT(固定価格買取制度)は、再エネ賦課金を電気料金に上乗せし、再エネで発電された電気を買い取る仕組みだ。日本のFITでは、日本と外国の再エネ事業者に差別的な待遇をせず、また買い取り料金が当初は高かったため外資が大量に参入した。正確な統計はないが、業界推定で日本の太陽光発電は15%程度が外国系の企業で運営されている。内外の企業に差別的な対応をしないことを求めるWTO(世界貿易機関)ルールがあり、日本政府はどの制度でもそれを律儀に守っている。FITでも外資参入を阻止しなかった。

またFITの買い取り価格を毎年、経済産業省は引き下げている。そのために買い取り価格の高い条件の良い権利は売買され、事業者は頻繁に変わる。この南港咲洲メガソーラーでも、その状況があったようだが、それを問題にすることは難しい。またFITは事業者が配電設備を持つ地域電力会社と契約を結び、国の運営する制度で、事業者は利益を得ている。大阪市の同発電所への関与は「土地を貸した」という部分に限定される。もしかしたら隠れた情報が今後出てくるかもしれないが、橋下氏が市長の権限を使って、上海電力に優遇して利益を与えた証拠は現時点ではない。

◆発電所は「関電いじめ」の結果だった
保守系メディアが5月9日ごろにこの問題を伝え騒ぎになった。しかし橋下氏が疑惑を強く否定し、続報もないため騒ぎは収束しそうな状況だ。もちろん橋下氏に説明責任はあるだろうが、法的な責任を問えそうにない。

橋下氏は政敵を攻撃的にやり込め、自分への支持を集める。そのために敵も多い。この疑惑騒動も、そうした彼の行為への反感がもたらしたものだろう。また彼が作って今は離れた日本維新の会は最近、国政で議席を増やしている。政治的に同党の勢力をそごうと、騒ぎが広がった面がある。

この咲洲メガソーラー発電所は、エネルギー関係者の間では橋下氏の「関電いじめ」の事例の一つとして、知られている。橋下氏の攻撃の矛先は12年から13年にかけて、電力会社と原子力発電に向いていた。中国のために作ったのではない。しかし多くの人は忘れている。

当時は、11年の福島原発事故の直後で、政治的立場を問わずに反原発、電力会社批判が広がっていた。橋下氏は、原発を抱えて経営に苦しんでいた関西電力を批判し、多くの人の喝采を浴びていた。彼は「原発の代替策の再エネ」「関電以外の電力会社」を訴えていた。そうしたパフォーマンス政策の一環で、大阪南港に大規模な再エネプラントを誘致し、この太陽光発電所ができた。彼の政策が今になって批判されているわけだ。

◆問題は橋下氏ではなく、F I Tの「仕組み」
ただしこの騒動を、無意味なものにする必要はない。せっかく、FITの問題に、多くの人の関心が向いたのだから、それを改善するきっかけになってほしい。

この騒動では、2つの点が問題になった。外国系企業が日本国民や企業の支払う電気料金で利益を得ること。また電力という重要なインフラを担う事業者が、権利を転売するなど、かなりいいかげんな動きをする無責任さだ。これら2つはFIT制度上で規制されなかったもので、当初からおかしいと指摘されてきた問題だ。

この制度を政治主導で導入した菅直人元首相ら民主党の政治家の責任は重い。しかしそれを放置した自民党政権、経産省の当局者も当然、批判されるべきであろう。

最近は電力が頻繁に停電危機に直面するなど質の面も低下して、事業者の供給責任が問われている。こうした状況にも、この騒動で浮き彫りになった問題は関係している。今回の騒動では右派、保守の人からの批判が目立った。自分のお金が中国の利益になっていることに怒っていた。その批判、違和感には正しい面がある。

この騒動を橋下氏批判という属人的な問題に矮小化するのはおかしい。ただし、再エネへの批判に結び付けるのもよくない。問題なのは「仕組み」である。もう少し大きな視点で問題を考え、再エネ振興策の検証と是正に結びつけるようにしたい。

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